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​新年のご挨拶

小笠原協会 会長 渋 井 信 和

2019年(平成31年)の年頭にあたり、皆さまに謹んで新年のご挨拶を申し上げます。昨年は、一年の世相を表す漢字に「災」が選ばれたように、災害の多発した一年でした。夏から秋にかけて毎週のように日本を襲った台風、北海道や大阪で発生した大きな地震、西日本などの各地で発生した豪雨水害など、まさに災害大国ニッポンを地で行くような年でした。幸いにも小笠原におきましては大きな被害はありませんでしたが、本年こそ、世相を表す漢字は人々が平和で幸福な一年であったと思えるような漢字であって欲しいと願うものです。

一方、昨年は小笠原返還50周年の佳節であったことから、多くのマスコミに小笠原の自然や観光、歴史等が取り上げられ、小笠原が脚光を浴びた年でありました。当協会におきましても、返還50周年記念日である6月26日に都内のホテルにおきまして小笠原関係者をお招きして祝賀会を開催いたしました。ここでは、小笠原諸島が返還
される一週間前にパスポートを持参して小笠原へ赴き、返還業務に奔走した都庁の担当者や返還後の小笠原村政を兼務していた東京都小笠原支庁で復興業務に尽力した当時の総務課長、村民課長などの回顧談が披露されました。 さらに、11月27日には、「硫黄島と小笠原をめぐる日米関係」の著者でもある元大阪大学大学院准教授ロバート・D・エルドリッヂ氏を講師としてお招きして、小笠原返還をめぐる日米関係をテーマに講演会を開催いたしました。

 

さて、本年は小笠原諸島の振興開発の基本となって小笠原の発展に大きな役割を果たしてきた小笠原諸島振興開発特別措置法の期限が切れる年であります。私も委員として議論に参加してまいりました小笠原諸島振興開発審議会は、昨年8月に、平成31年度以降も引き続き特別措置を講じ小笠原諸島の振興開発を積極的に推進する必要がある、との意見を国土交通大臣に対して具申いたしました。次に、毎年、実施してきました小笠原訪問交流ツアーが本年で第20回を迎えます。観光客が少ない時期に観光客を増やし島の経済発展に貢献しよう、との目的で始まった当事業も開始以来19年を経た現在では観光客数も当時の1,5倍となり、訪問ツアーを取り巻く状況も大きく様変わりしております。そこで、20回目となる本年の交流ツアーの実施については、小笠原海運や小笠原村とも協議し、改善を図って参りたいと思っております。次に、小笠原の返還50周年を迎える2、3年前から、小笠原を研究する研究者の皆さまから、当協会が発刊している「特集号」などへの関心や問い合わせが増えてきました。


また、前述したエルドリッヂ氏のご講演の中でも小笠原研究の必要性が訴えられました。現在、多くの研究者の皆さまがそれぞれの立場から小笠原研究を進められております。一方、当協会では創立以来、時々の課題への対応の記録や強制疎開された方々の証言をとりまとめてまいりました。今後、研究者の方々との連携を模索し小笠原研究が進展するよう努めてまいりたいと考えております。関係者の皆さまのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

最後になりましたが、今年一年が皆様にとりまして幸せな一年となりますようご祈念申し上げまして年頭のご挨拶とさせていただきます。