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祝!小笠原諸島を世界自然遺産に登録

 

固有の生物が数多く生息する小笠原諸島を、2011年6月24日、ユネスコ(国連教育・科学・文化機関)の世界遺産委員会は、世界遺産に登録することを決めました。 小笠原諸島は東京湾から約1000キロ南の太平洋上にあり、大陸と陸続きになったことのない「海洋島」で、動植物が独自の進化を遂げ、「進化の実験場」「東洋のガラパゴス」と呼ばれています。 世界遺産委員会は、登録の理由について「小笠原諸島の生態系は、多くの固有種に加え、アジア各地の植物が集まっており、幅広い進化の過程を示している」として、その生態系の豊かさを高く評価しました。

世界自然遺産としての価値

 

世界自然遺産に登録されるためには、「自然景観」「地形・地質」「生態系」「生物多様性」の4つの基準のうち、1つ以上に合致することが必要です。 小笠原諸島は、「地形・地質」「生態系」「生物多様性」の3つに合致すると考え、準備を進めてきました。これらの概要は、次のとおりです。なお、この中で世界遺産としての価値が認められたのは、「生態系」です。

 

〈地形・地質は、地球史の顕著な見本〉小笠原諸島は、大陸形成の元となる海洋性島弧(海洋プレート同士がぶつかり合って形成された列島)が、どのようにして発生し成長するかという地球の歴史を、陸上に露出している地層や岩石から解明し、見ることができる世界で唯一の場所です。

〈生態系は、生物進化の過程を示す顕著な見本〉

小笠原諸島は大陸と一度も陸続きになったことがないため、たどり着いた生き物は、競争相手が少ない中で、島の様々な場所に分布を拡大しました。それぞれの場所で生活しやすい形へと進化した結果、現在では多くの固有種が見られます。特に、乾燥した気候に適応した乾燥性低木林や、多様な色・形をした陸産貝類などにおいて、今なお進行中の進化の過程を見ることができます。
 

〈生物多様性は、希少種等の重要な生息生育地〉
小笠原諸島は限られた面積の陸域に多くの生物が生育・育成し、その多くは他にはない固有種です。また、オガサワラオオコウモリやクロアシアホウドリなど世界的に重要とされる絶滅のおそれのある種が生息しており、北西太平洋地域における生物多様性の保全のために不可欠な地域です。


※毎日新聞 平成23年6月24日(金)22時53分配信から転載
カタツムリなどの陸産貝類106種の100種(94%)、植物441種の161種(36%)、昆虫1380種の379種(27%)が他では見られない固有種だ。特に、陸産貝類はガラパゴス諸島(エクアドル)など他の海洋島と比べて面積当たりの固有種率が高く、絶滅率は22%と低い。国際的に貴重で絶滅が心配される野生生物は、オガサワラオオコウモリやクロアシアホウドリなど57種に上がる。

世界自然遺産を守るため

 

世界自然遺産となった小笠原の自然環境の価値をより良い形で後世に引き継いでいくために、「管理計画」が策定されています。その内容は、以下のとおりです。

 

◇管理の全体目標
小笠原諸島は、大陸地殻を形成する元になった海洋性島弧の形成過程を示す地域であり、海洋性独自の適応放散によって進化をつづけている固有種等が構成する特異な生態系を有する「地球と生物の進化の過程を記す世界でも貴重な場所です。この顕著で普遍的価値を正しく理解し、島の自然と人間が共生していくことにより、小笠原諸島の有する優れた自然環境を健全な状態で後世に引き継いでいきます。

 

◇基本方針
全体目標達成のために掲げた以下の4つの基本方針に基づき、様々な取組みが実施されています。

1.優れた自然環境の保全

①海洋性島弧の形成過程を示す「証拠」の保全

②固有種・希少種・独特の生態系の保全 → 父島東平では、アカガシラカラスバト・サンクチュアリーを設定し、生息地の保全・整備を行っています。

2.外来種による影響の排除・回避

①総合的な生態系管理の考え方に基づく外来種対策の推進 → 兄島ではノヤギの根絶が、弟島ではウシガエルとノブタの根絶が新たに達成されました。

②新たな外来種の侵入・拡散予防への取組みの推進 → 外来種を新たに小笠原に持ち込んだり、侵入していない場所に拡散させたりしないための取組みも行われています。

3.人の暮らしと自然との調和

①各種事業を実施するにあたって環境配慮
②自然と共生した島の暮らしと産業 → 小笠原で野生動物と人とペットが幸せに暮らすために、父島では「飼い主の会」が、母島では「299(ニクキュー)の会」が発足するなど、住民主導の取組みもスタートしています。

4.順応的な保全・管理の実施

①適切なモニタリングと情報の活用
②科学的なアプローチと合意形成 → 今後も、関係行政機関が、小笠原諸島に住む島民、事業者、研究者、NPO、来島者など全ての関係者が連携・協力しながら、管理のための様々な取組みを継続していきます。

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※この項に関して、詳しい情報は、小笠原自然情報センターのホームページをご覧下さい。

 

※その他、この項に関するお問い合わせ先

環境省小笠原自然保護官事務所

(04998-2-7174)

林野庁小笠原諸島森林生態系保全センター

(04998-2-3403)

東京都小笠原支庁世界自然遺産担当

(04998-2-2123)

小笠原村総務課企画政策室

(04998-2-3111)

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